こちらは、KAWASAKI NINJA400 シングルシートカウルです。前回の作業では、2色目の塗り分け塗装を行わせていただきました。塗膜の乾燥が終わりましたので、これからクリヤーオーバーコートに入ります。
上の写真では見づらいかもしれませんが、塗り分け塗装で出来た塗膜の段差が生じています。今回、クリヤーオーバーコートを行う理由は、この塗り分け塗装で出来た塗膜の段差をフラットに仕上げるためになります。
まずは、塗り分け塗装で出来た塗膜の段差をサンディングペーパーでサンディングします。(左の写真)
右の写真はサンディング後になります。
すっきりフラットに仕上がりました。笑
ところで、今回の塗り分け塗装の手順は、3コートキャンディ仕様のキャンディオレンジをベタ塗りした後、2コートメタリック仕様のブラックメタリックで塗り分け塗装を行いました。このような作業工程にした意味ってなんだか分かりますかね?汗
3コートキャンディ仕様は塗膜が厚くなる傾向にあります。それに対して2コートメタリック仕様は、3コートキャンディ仕様に比べて塗膜を薄く仕上げることが出来ます。
今回の塗り分け塗装の手順をブラックメタリック→キャンディオレンジとした場合、塗り分け塗装で出来る塗膜の段差が高くなってしまいます。そうなると右の写真のように、クリヤーコート後のサンディングでフラットになる確率が低くなります。(フラットにする前にクリヤーベースを突き破ってベースカラーを傷めてしまいます)
そういった場合は、サンディング→クリヤーコート→熱乾燥→サンディング→クリヤーコート…とクリヤーコートを何層にも分割しながら徐々に塗膜をフラットに仕上げていきます。ただ、クリヤーオーバーコートを繰り返してしまうと費用が嵩んでしまうんですよね。汗
そこで、塗膜が厚くなってしまう3コートキャンディ仕様を1番目に塗装して、染まりの良い2コートメタリック仕様で塗り分け塗装を行わせていただきました。その甲斐もあってか、1回のクリヤーオーバーコートでフラットに仕上げられそうです。汗
さて、サンディングが終わりましたので、クリヤーオーバーコート用のセッティングを行います。(左の写真)
ちなみにクリヤーオーバーコートで使用するクリヤーベースは、クロマックス塗料の【3800S】になります。(右の写真)
【3800S】は当店のピアノブラック仕様のトップコートに使われていますが、クリヤーオーバーコートでご依頼いただいた場合でも使用させていただいております。【3800S】は肉持ち感が高いので、塗り分け塗装で出来た塗膜の段差処理には最適なクリヤーベースかなと思います。
さてさて、セッティングが終わりましたので、クリヤーオーバーコートを行います。(上の写真)
塗膜の段差は、1回のクリヤーオーバーコートでフラットに仕上がったのではないかなと思います。汗
それにしても、テロンテロンです。笑
もともと彩度の高いキャンディオレンジですが、その彩度がさらに加速しているように見えます。笑
それでは、塗膜の乾燥が終わりましたら、ガラスコートとポリマーコートを施工して完成となります。もうしばらくお待ちくださいね。